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ピー・アンド・イー・ディレクションズ

「見た目がきれいなだけの戦略を立てる人は合わない」 若手コンサルタントが語る、泥臭さゆえの成長

-2020年2月5日 Liiga サイト掲載-

泥臭さゆえの成長

創業社長の「若者の成長は青天井である」との信念のもと、若手に成長の機会を与えて続けているピー・アンド・イー・ディレクションズ。新卒で入社した奈良氏は「Up or
Outではなく、人を育て、助け合う文化がある」と社風を語る。4年目でプロジェクトリーダーを任された奈良氏に成長し続けるための考え方や、それを実現可能にする会社の環境や仕組みについて聞いた。

若手の成長を促す「任せる環境」と「温かみのある文化」

――新卒のファーストキャリアとして、コンサルティング会社を選択した理由を教えてください。

奈良:私自身の内的な好奇心探求と外的な社会的影響力の両立を考えて選択しました。学生時代は数学を専攻する一方で、貧困世帯の子供の学習支援を行うNPOの活動にも取り組みました。そのNPOにコンサルティング会社の方がプロボノでいらしていて、物事の表面だけではなく本質的なところを見極めてプロジェクトを進めていく様子を間近で見ることができました。その経験がコンサルティング会社に興味を持つようになったきっかけです。

コンサル以外にも、例えば官僚になるなどの選択肢もあったと思います。しかし、当時は教育政策をやりたいのか、福祉政策をやりたいのかというところまでは考えが定まっていなかったので、将来の選択肢の幅がありそうなコンサルティングの道に進むのがいいと判断し、選考を受けることにしました。

――ピー・アンド・イー・ディレクションズへの入社の決め手を教えてください。

奈良:成長できる環境があることと自分が生き生きと働ける文化があることが決め手になりました。弊社は社長の島田が一人で立ち上げた会社です。島田は当初から“若者の成長は青天井だ”という考えを持っていて、創業の数年後には新卒採用を始めました。会社として若手にチャレンジさせ、育成していくという考え方が根底にあります。具体的には、1つのプロジェクトにアサインするのではなくて、2つ以上の案件を同時に担当するマルチアサイン形式を採用しています。また、早期にプロジェクトリーダーを任せる体制を会社として整備しています。他にも、早い段階から社長と同行しながら営業を学べる取り組みを行って、成長できる環境を若手に用意しています。

社長はボストン コンサルティング
グループ(BCG)から独立して創業しています。BCGのパートナークラスの人とコンパクトなサイズの会社で一緒に働けて、仕事を任されるというのは他所ではできない経験だと入社後にも実感しています。20代、30代が成長するためには、経験のあるシニアクラスの人間から学ぶことは必要不可欠です。

また、弊社はコンサルティング業界でよく言われるUp or Outではなく、人を育て、助け合う文化があります。温かみのある雰囲気があり、議論で詰められてギスギスすることはありません。若手の意見も丁寧に引き出してくれるような風土があるので、私自身、生き生きと働くことができています。

少し前に、入社を決めた理由について社内でアンケートで調査したところ、最多だったのは「人の良さや雰囲気」でした。成長環境を重視しつつ、最終的な決め手は人だという社員が私以外にも多くいます。

若手が成長できるように仕事を任せるためには、シニアが「ここまでならある程度サポートできるな」という線引きをします。若手に任せることは会社としてはリスクなので、シニアが目を配る必要があります。そういう中で温かみのある文化が醸成されていきました。

nara

新卒4年目で任されたプロジェクトリーダーが成長のきっかけ

――ご自身が成長していくにあたって、どのような段階を踏まれたのでしょうか。

奈良:大きく2つの段階に分かれます。最初の3年はメンバーの1人として、プロジェクトリーダーのもとで働きました。4年目にはメンバーとしても働きながら、小さなプロジェクトのリーダーを任される経験をしました。

最初の3年は事業会社のお客様を多く担当しました。1年目は、マザーズに上場していて、数年後に一部に市場変更した成長中の会社がお客様でした。その会社の社長と一緒に新規事業を立ち上げるプロジェクトにアサインされ、その経験が自分自身を成長させてくれました。創業社長としてマザーズに上場させて、後に一部上場まで自らの会社を発展させた方の意思決定のスピードやビジネス的な嗅覚、何を元に判断しているのかを間近で学ばせていただきました。20代だった私にも目をかけてくれるような人間味のある方で、人間性の部分も学ばせていただいた実感があります。

メンバーの1人として、社長が判断するために必要なファクトを集めてくることや資料作成能力も必要です。さらに、そのプロジェクトではそもそもどのような判断が必要で、そのためにはどのようなファクトを集めてこなければならないのか、そのために我々はどう動けばいいのかを学びました。毎回ミーティングにも出席し、発言する機会もいただきながら、やり取りをさせていただいたことも振り返れば成長の大きな要因の一つです。

――メンバーとプロジェクトリーダーでは、大きな違いがあるのでしょうね。

奈良:最初は調査案件や簡易的なデューデリジェンスのリーダーを任されるようになります。若手のメンバーを1人つけてもらい、自分も動きながらアウトプットを作っていきます。お客様とのやり取りの最前線に立ち、プロジェクトの方向性を決め、戦略を設計し、アウトプットのデリバリーまで一貫して責任を持つフェーズに入っていきます。メンバーとして与えられた仕事を着実に進める段階からは卒業し、リーダーとして目線を高く持ち、プロジェクト全体を動かしていくようになります。

メンバーの一員の時はプロジェクトリーダーと相談しながら業務を進めていきますが、自分がプロジェクトリーダーになれば、何が重要な課題なのか、どのように取り組めば課題を解決できるのかということを主体的に考える必要があります。考えるための枠組み自体も自分で考えなければいけません。いわゆる上流工程である戦略立案から、その戦略を実行するところまで携わることができます。そのような経験を若手のうちから積めたことは、今から振り返ると大きな経験でした。

――一人ひとりの成長に合った仕事にアサインされるのでしょうか。

奈良:若手の一人ひとりの成長フェーズに応じた案件にアサインすることを会社として重視しています。そもそも、その時々の会社の人材構成に合わせたプロジェクトを意識して獲得してくるのです。私も今年から社長と同行しながら営業に出かけるというフェーズに入ってきましたので、他の若手社員にとって学びのあるプロジェクトになるかどうかを考えながら案件を獲得しています。

会社全体で見れば、お客様に価値を提供することと若手の成長を促進することが両立できています。もちろん、お客様にフィーをいただいて働いているので、デリバリーを死守するということが最優先です。そのため、指示したことを実行してもらうことに時間を使うこともありますが、若手に権限を移譲して、フィードバックをしながら経験を積んでもらえるように意識しています。

――社長との同行営業を通じて、どのような点で成長を実感しましたか。

奈良:社長同行営業では、お客様に叩き台を持っていき、それを元にディスカッションをして、どこに課題があるのかを「結晶化」させるスキルを身につけているところです。

営業で案件を獲得してくるのは、コンサルティングの最初のフェーズです。案件が立ち上がって、デリバリーをして、お客様に満足していただいて、リピートしてもらうという一連のプロセスの中で、どうすれば価値提供できるのかを見つけるフェーズにいます。プロジェクトリーダーになり、営業にも参加していくなかで、今の取り組みを継続していくと自分のコンサルタントとしての型ができ上がると考えています。お客様のおっしゃっていることを要約、再解釈して判断材料を提供することが私の強みなので、お客様が言語化できずにモヤモヤしていることを調査、分析し、結晶化させていく能力を伸ばしていきたいですね。

nara

事業や会社を動かすための支援形態、個人の成長を重視する戦略コンサルティング

――コンサルタントとして成長していくにあたって、会社として決まった型があるのでしょうか。

奈良:型を会社が押し付けることはありません。プロジェクトのテーマや業界を制限することもありません。型を作ってパターン化していくことは、コンサルティング会社として規模を拡大させ、安定的に仕事を作っていくためには重要だとは思いますが、一方で仕事を決まった型にはめてしまうという弊害も懸念されます。しかし、社長が会社をそういう方向に導くことはありません。当然ながらコンサルタントごとの品質のばらつきを許容しているわけではなく、お客様への対応方法や価値の生み出し方については、ピー・アンド・イーとしての考え方、ソフトウェアでいうとOSの部分は定まっています。そのような土台の上に社会人としての基礎や一人ひとりの内的な強みを乗せていっているのです。

――ご自身の成長の先にどのような将来像を描いていますか。

奈良:ある到達点を目指して成長していくという考え方ではなく、会社のアセットをレバレッジするという考え方をしています。例えば、社長の人間関係を社員にもどんどん紹介して、営業に活かしています。そうすることで、若手にも会社のアセットが蓄積されていき、それをもとに新しいことに取り組めるようになります。

私自身、ゴールを描いて、今までのようなプロセスを選択してきたのではなく、会社のアセットを使って成長し、変化してきたと実感しています。キャリア論で「計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory)」というものがあります。ゴールに向かって自分のキャリアを規定しながらも、その場その場のタイミングでは何が起こるか分からないので、チャンスを掴めるように自ら動いていくことが重要だと考えています。道筋は計画しながらも、最終目標から逆算するのではなく、その場その場で環境を選択し、構築していくことが重要だと思っています。

――奈良さんの同世代にとって、御社で働く最も魅力的な点を教えてください。

奈良:私は2020年に30歳になりますが、私と同年代の方は自分の力で事業や会社を動かすことにどう関わっていけるかに関心の軸足が移ってくるフェーズだと思います。会社のアセットを使うことができ、手助けをしてくれる文化のあるピー・アンド・イーは個人の成長を大きく後押ししてくれます。会社のアセットを使って社員が成長していくことは、会社にとってもプラスで、相乗効果を生み出しています。

ピー・アンド・イーはコンサルティングの会社として見ると、少し毛色が違って見えるかもしれません。コンサルティング会社は一般的にプランニングの軸が強いと思いますが、私たちは社名の通り、エグゼキューションも重要視しています。

私たちは自分たちのことをコンサルティング会社ではなく、「事業支援会社」だと言っています。相対するお客様は中堅企業のオーナー経営者や大企業の事業部門の部長、執行役員クラスの方、ファンドの方で、工程としても上流の部分の案件を扱っているので、間違いなく戦略コンサルティング会社なのですが、マインドとしてはお客様の事業をどうやって動かしていくのかという部分にフォーカスしています。

――どのような人と働きたいかを教えてください。

プランニングにもエグゼキューションにも泥臭い部分はありますが、自分の力で事業や会社を動かしたいと思っている方にはピッタリな会社だと思います。純粋な知的好奇心だけに基づいて考えて、見た目がきれいなだけの戦略を立てたり、実行できないことをお客様のせいにするような方は残念ながら合わないと思います。お客様にはお客様の考え、意思があり、それを組織体として実現するために動いていることを理解して、そのためにコンサルタントとして何をするべきかを考えられる方と一緒に働き、共に成長していきたいですね。

nara