コンサル、M&Aアドバイザリー、投資。この全てを経験する「新たなコンサルタント像」
-2020年10月30日 Liiga サイト掲載-
コンサル、M&Aアドバイザリー、投資。この全てを経験する
ピー・アンド・イー・ディレクションズが、M&Aアドバイザリー業務を強化している。M&Aアドバイザリーのプロフェッショナルを配置し、非連続的な成長戦略の実行支援もできる体制を構築している。また、自らリスクを負い、顧客に投資する事業も積極的に展開し始めた。これらの狙いや得られる経験について、同事業に深く関わるディレクターとマネージャーに語ってもらった。
コンサルタントは、顧客の収益に責任がある
――ピー・アンド・イー・ディレクションズに入社した理由を教えてください。
長谷川:知人からの紹介です。前職のCFO(最高財務責任者)の仕事が一区切りつき、次の仕事を考えていた、よいタイミングでした。コンサルティング業界に戻ろうかと思っていたところ、その紹介があり、転職を決めました。
また、弊社代表取締役の島田直樹と面談した際に、「この人と仕事ができれば、とてもエキサイティングだし、信頼できる」と感じたことも理由です。
井上:私は、転職エージェントから話をもらったのがきっかけですが、M&Aアドバイザリーの担当者として幅広いエグゼキューション(案件の実行)に携われること、少数精鋭で1人の裁量も大きく、非常にやりやすく魅力的な環境ではないかと感じたことが転職を決めた理由です。
さらに興味深いと思った点は、弊社のM&Aアドバイザリー業務は、オーナー系企業のセルサイド(M&Aで売却する側)案件が多いことです。セルサイド1社に対してバイサイドが複数社存在するという構造上、過去にはセルサイドのアドバイザーになることは少なかったため、自分のキャリアを構築するうえで、新たな経験が積めるのではないかと感じました。
――長谷川さんにお聞きします。ディレクターとしてのやりがいと、ご苦労されている点がありましたらお聞かせください。
長谷川:社内では「親亀子亀」営業制度と呼んでいるのですが、親である社長が子である社員とペアで行動し、営業ノウハウとお客様に対する責任感を共有するという制度です。私はディレクターとして、設定した目標の達成に責任を持たなければならない立場になりました。
その立場に立ったことで、コンサルタントとして、調査、分析、成果物作成はもちろん、その前後も含めてお客様と会社との関係性構築を担い、結果として収益の責任を持たなければなりません。これは苦労も多いですが、本当の意味でのコンサルティングが楽しめるようになりました。
クライアントにご満足いただくことやコンサルタントを育成すること、会社として収益を出し成長することを同時に進めていく、ビジネスとしてのコンサルティングを実行する立場としてより高い視座、広い視野を持って仕事に取り組めています。
コンサルティング業界で広く使われている分析スキルは、かなり陳腐化してきています。本を読んで勉強できるようになっていますし、そもそもお客様のほうが業界知識については詳しい。ではコンサルタントは一体何で勝負するのかというと、未知に対する不安感を取り除くということです。お客様が最初の一歩を踏みだすときに、的確なアドバイスをするということに価値があります。
「最初の踏み出し方」の経験値を積んでいるというのが、非常に重要になっています。弊社は、その領域で経験値を積み重ねているので、他社と差別化できていると思います。
実業でも価値や結果を出す「ビヨンド・コンサルタント」とは
――長谷川さんは事業本部長も兼務されています。実際に事業本部長になって、どのようなことが変わりましたか。
長谷川:弊社はコンサルティングの上に、ビジネスを積み重ねて展開しようとしています。我々はこれを1階、2階、3階と呼んでいて、1階はコンサルティング事業です。キャッシュを生み出すとともに、プランニング(戦略策定)とエグゼキューションのスキルやノウハウを蓄積し、お客様とのネットワークを作るというミッションがあります。
2階部分は、成功報酬型のコンサルティング事業です。一般的なコンサルティングのように、サービスを提供して結果が出る前に費用をいただくのではなく、得られた結果によって成果をいただくモデルです。
3階ではさらに、弊社とお客様がともに事業を展開したり、投資をしたりして、リスクを取り、リターンを分かち合うというビジネスモデルとしています。その2階、3階のビジネスの責任者が私です。
2階部分における重要な要素が、M&Aのアドバイザリーです。お客様の要望に応じて、企業の売買の候補先を提示し、取引が成立するまでをお手伝いします。
このビジネスモデルを推進するためにはまず、在籍するコンサルタントたちの既成概念を崩していく必要があります。こういった新しいコンサルタント像を社員向けに「ビヨンド・コンサルタント」と言っています。
コンサルタントを越えて、実業としても価値や結果を出せるビジネスパーソンになるという考え方です。その際に重要になってくるのは、お客様とともに案件の最初から最後までやりきることです。
「人や組織を動かし、結果を出す」プロセスを学べる
――御社の方針が色濃く表れているような具体的事例がありましたら、教えていただけますでしょうか。
長谷川:ヨシムラ・フード・ホールディングス様の事例をご説明しましょう。先方から「成長軌道のギアを変えたい」という要望をいただきました。その方法を模索していたところ、弊社の考える、いわゆる3階部分、投資やサポートも行うことになり、井上が投資実行までのエクゼキューションを担当しました。
井上:この事例の特徴は、資本業務提携という形態をとっており、資本提携としてクライアント企業に対して直接的に投資を行い、業務提携の部分でバリューアップするという点です。自ら投資をすることで事業成長に強くコミットしているという点において、コンサルティング会社として珍しく、先方に期待をもっていただけました。
ヨシムラHD様の社長は、何らかの手を打って、成長スピードを上げたいと考えていました。一方で、コンサルティングファームの力を借りるとしても、お金を払っておいて結果が伴わないことを懸念していたと思います。そういう状況に我々の新しい取り組みが非常にフィットしました。
ヨシムラHD様はM&Aで成長している企業です。そのため本資本業務提携で、弊社はM&Aの発掘や実行のお手伝いもすることになっています。弊社をアドバイザーとして使っていただき、そのフィーを頂戴することについては、先方としても問題ありませんでした。結果を伴うものに対して費用を支払うことについては、懸念はないということですね。
長谷川:本案件の取り組みを分解して考えると、1階部分のコンサルティング、2階部分のM&Aアドバイザリー業務、3階の投資要素の全てを盛り込んだサービスです。
――通常のコンサルティングのキャリアを持っている方が御社に入り、このビジネスに接していくことは、その個人にとってどのような価値がありますか。
長谷川:先ほど、弊社には「ビヨンド・コンサルタント」という考え方があると説明しました。弊社が求めるのは、コンサルタントとして優れているということだけでなく、事業会社の中でもリーダーシップが取ることができる人だと認識しています。
コンサルタントとして優れた存在になりたいのであれば、他の会社でもなれるかもしれません。しかし、弊社では、コンサルタントとしての見方だけではなく、人や組織の動かし方やお客様の組織の動かし方などを含めた「結果」に導くプロセスを体験することができます。
それは、ビジネスパーソンとしての成長の場としては、かなり貴重だと思います。
――井上さんのようなキャリアをお持ちの方がこの会社に入ることで、どのような成長が得られるでしょうか。
井上:そもそも何をどのように考え、他のどんな選択肢と比較検討した結果として、そのM&Aが必要になったのかといった、根源的な議論に参加できることが価値のひとつだと思います。
M&Aアドバイザリーサービスの企業だと、その段階から深く参加する機会が少なく、すでに決定された事業方針の実行支援をお願いされることが多くなりがちです。しかし、弊社ではもっと前の段階でお話に関与する機会があるため、非常に良い経験になると思います。
長谷川:案件のサイズは、M&Aアドバイザリーサービスの大手に比べれば小さいのかもしれません。しかし、弊社では案件が生まれるところからゴール、その先までずっと関与し続けることになるので、ある特定の領域のスキルがあっても、それだけでは対応できません。
総合的なスキルセットが必要な場に身を置けるというのは、将来のキャリア展開においても、幅が広がると思います。
弊社としては、ベースはあくまでコンサルティングですが、その上に積み上げていくのは、M&Aのアドバイザリーとしてのスキルやセールスの知識など、様々です。
井上のように特定のスキルセットを備えている場合は、アドバイザリーの専門職になれるほか、他の選択肢もあります。投資先企業様に常駐する者も出てくると思います。
弊社では様々なキャリアを経験できると思いますし、それがコンサルティングのスキルセットの上に蓄積されます。チームとして積み上がれば、弊社全体として、価値を上げていくことにつなげられます。
――どんな方と一緒に働きたいですか。
井上:弊社は、これまでお話ししたような体制を取っているので、戦略と金融の壁を越えやすい環境が整っていると思います。総合力を身につけたい、一気通貫でやっていきたいという志向を持つ方は、ぜひ弊社に来てください。
長谷川:素直な方に来ていただきたいですね。できることとできないことを見極めて、できないことを素直に認め、周りに助けを求められる方がいいです。これをチームとして実践していけば、全員で新しいことを作っていけると考えています。
「チームが負けても、自分が点を取れればいい」というような人では困ります。チームプレーを心掛けて、人の助言を素直に聞くということが大事だと思います。